@article{oai:hirogaku-u.repo.nii.ac.jp:00000571, author = {小野, 綾 and 渡辺, 皓}, journal = {弘前学院大学看護紀要}, month = {Mar}, note = {Article, 目的:本研究では,仙骨部褥瘡を光学顕微鏡的に詳細に観察し,皮膚の組織構築における褥瘡の初発部位を明らかにするとともに,線維成分の形態変化について検討した。 方法:解剖実習遺体の仙骨部より正常10体,Stage(S-)Ⅱ褥瘡16体の創中心部と辺縁部,S-Ⅲ褥瘡10体の辺縁部の皮膚組織を摘出し,光学顕微鏡的に観察した。 結果と考察:褥瘡皮膚では真皮乳頭層の浮腫が高頻度にみられ,毛細血管は拡張し,その周囲には好中球やリンパ球などの炎症性細胞の浸潤と思われる所見が認められた。褥瘡発症の機序として,圧迫による虚血が血管の機能に影響することが知られており,褥瘡皮膚でみられた浮腫や浸潤,さらに内皮細胞核の膨潤などの所見は,虚血-再灌流による血管内皮の障害が一因であると考えられる。また,組織弾力性の低下につながる膠原線維束の均質化や間隙の拡大,弾性線維の異常な集塊がみられた。褥瘡皮膚では組織構築の復元力が低下し,通常の創傷治癒過程が進行しにくい状態にあるといえる。 結論:1 .初期褥瘡には表皮有棘細胞の変性,真皮乳頭層の浮腫,膠原線維や弾性線維の分布異常,炎症性細胞の浸潤と思われる所見,毛細血管の拡張がみられる。 2 .初期褥瘡の組織損傷は真皮乳頭層に著しく,損傷は表皮や筋層に向かい拡大する。}, pages = {23--34}, title = {褥瘡による組織損傷に関する形態学的研究}, volume = {16}, year = {2021} }